第2回上野清美教室書展(2024/7/1~6 小津ギャラリー)作品
第1回上野清美教室書展        作品の写真は、制作者名の五十音順に並んでいます。作品をクリックすると高解像度の大きな写真を表示します。

石橋 直美 石橋 美惠子 板倉 芳江 伊東 順子 上原 紀子
葛の花         
踏みしだかれて色あたらしこの山道を
行きし人あり
 (折口信夫[釈迢空])
山門に 
雲を吹き込む
      若葉かな
      (正岡子規)





つきのおもしろかる夜/暁方によみける/きよはらのふかやぶ/夏夜はまだよひながらあけぬ/るを雲のいづこにつきやどる/覧
(臨「関戸本古今和歌集」平安時代 伝藤原行成筆)
年ごとに   
生ひそふ竹の 
よゝをへて
かはらぬ色を
   誰とかは見む
       (紀貫之)
         
宇野 文子 大場 左和子 奥村 亜木 加福 ちづ子 木村 富士子
山吹の花色    
ころもぬしやたれと
とへどこたへず
    口なしにして
      (素性法師)
晴れ渡る青空に向き
梅の花  
白く開けり
  ひとつひとつに
      (窪田空穂)








       江山景物新
  (江山景物新たなり)
 【川も山も春となって、
 景色が見違えるようだ】




枕草子
(つけペン)
朝顔と   
よろこぶ母の
    こえすなり
       (轡田進)
         
後藤 直子 小林 敬子 小松 哲夫 斉藤 佐千子 佐宗 加奈子
山桜見て
はるがすみなにかく
すらんやまざくら
ちるまをだにもみる
    べきものを
(臨「升色紙」平安時代
伝藤原行成筆)
十月しぐれふり/おけるならの葉の/名におふ宮のふる事ぞ/これ/貞観御時哥たてまつり/けるついでに/大江千里/あしたづのひとりおくれて なく声は雲のうへまで/きこえつながむ/題知らず/藤原勝雄(臣)/人しれずおもふこゝろは/春がすみたちいでゝ/君がめにもみえ南
(臨「元永本古今和歌集」平安時代 伝源俊頼筆)
花開酒国春
(花は開く酒国の春)
【酒国とは酒に酔って
別天地にいるような境
地のこと】     
  臨「白氏詩巻」
 平安時代 伝藤原行成筆
【意訳】月の美しさは、今夜にまさる夜はない。この平和な街こそが洛陽の都である。神聖な山に積もる幾重もの雪、滴り落ちる水の粒は宝石のようだ。美しい景色に巡り合うのは簡単ではない、いま目の前にいる人を愛し大切にすることだ。歳をとっても共に楽しむことができる。身をもって知った、歳を重ねるということを。        
「ヤシの木の葉」
(デスクペン)
         
佐藤 宏子 柴 恵子 清水 信良 杉原 典男 杉原 典男
これさだのみこのいへのうたあはせによめる
ふやのあさやす
あきののにおくしらつゆは
たまなれやつらぬきかくる
くものいとすぢ     
(臨「関戸本古今和歌集」平安時代 伝藤原行成筆)
ふゆごもり  
おもひかけぬを
このまより
はなと見るまで
  ゆきぞふりしく
(臨「継色紙」平安時代
伝小野道風筆)
春過ぎて      
夏来にけらし白妙の 
衣乾すてふ天の香具山
      (持統天皇)


    臨王羲之筆蘭亭序
    群賢畢至少長咸集
  (群賢畢[ことごと]く至り少長咸[み]な集う)
【大勢の賢人たちが到着し 老いも若きも皆集った】
         
杉山 桃子 須藤 安子 須藤 安子 高野 みゆき 柄野 ミヨ
友の弾く     
街角ピアノ    
やさしくて 
 人・時・夏が
    ふと立ち止まる
        (自詠)
茶の花   
や     
利久が目には
    よしの山
      (山口素堂)
泳ぎては    
貝よ石よと   
    吾にくる子
      (松本紀子)





      なるべくは
    小さき
     鹿の子に
     餌やらむ
      (徳島義人)
あふことの
たえてしなく
はなかなかに
ひとをもみをもうらみ
      ざらまし
(中納言朝忠 小倉百人一首)

柄野 ミヨ  臨「高野切第一種 古今和歌集巻第二十」平安時代 伝紀貫之筆

出口 紀子  臨「粘葉本和漢朗詠集」平安時代 伝藤原行成筆(筆ペン)

徳永 久美子 中村 もえぎ 橋本 幸子 原口 薫子 原口大助
洋上や  
  はるかにうすき
雲の峰  
      (高浜虚子)
身はすてつ     
心をだにもはふらさじ
つひにはいかが
なるとしる
べく
(臨「高野切第三種」
平安時代 伝紀貫之筆
       藤原興風)
【この身は捨ててしまった
けれど心だけは捨てない
でおこう。 捨てた身がど
のようになるかを知るこ
とが出来るように】  
萬物備於我
(萬物、我に備わる)
【天地間のあらゆる事
物の理は、みな我が心
にそなわっている】 

平山 史眞 平山 史眞

臨「祭姪文稿」中国唐時代 顔真卿筆
【安禄山の乱に殉じた兄の子、秀明の霊を祭ったと
 きの祭文の草稿。顔真卿五十歳の書(758年)】
臨「文治三年十一月九日付書状」鎌倉時代 源頼朝筆
【伊勢にいる配下の山城の介に、伊勢に赴く斎宮の為の費用の調
 達に関する命令を伝える手紙。源頼朝四十歳の書(1187年)】

松永 依莉那 松永 靖美 松本 和美 村山 利江 森谷 美津子
自我作古
(我より古をなす)
 【古例にとらわれず自 
 分から新例を開いて後 
 の人がこれ を古例とし 
 て準用するようにする。
宋の孝宗の語。】  
引く波の
あと美しや
   桜貝
     (松本たかし)
「古寺」(デスクペン) 心華 「クラス会の招待状」
(デスクペン)
         
安田 久美恵 山田 和枝 山本 由起 吉川 美佳子 吉田 泰代
しづかさや  
湖水の底の
 くもの峰
      (小林一茶)








       山静似太古
(山静かなり太古に似たり)
【山居の静かなこと、あた
かも太古の時代のようだ】
恋すれば    
我が身は影と
なりにけり
さりとて人に   
 添はぬものゆゑ
(臨「古今集切」平安時代 伝藤原行成筆)
 小天下
(天下を小とす)
 【日頃の小さな悩みや 
 問題は、広い視野から
 見ればたいしたことな
いかもしれない】 
めぐりあひて
みしや
  それとも
 わかぬ
   まに
    雲がくれにし
   夜半の月影
       (紫式部)

矢尾 雅一  臨「風信帖」「忽披帖」「忽恵帖」平安時代 空海筆

渡邉 けい子 渡邉 聖子 渡辺美由紀 上野 清美 上野 清美
うれしさは   
葉がくれ  
    梅の一つ哉
      (坪井杜国)
ひさかたの雨も降らぬか
蓮葉に        
溜まれる水の  
     玉に似たる見む
       (万葉集)
【あの空から雨でも降ってこないか、蓮の葉っぱに 溜まった水が玉のようにきらきら光るのが見たい】
春山茂春月明
(春山茂り春月明らかなり)
【草木の茂った春の山に 月が明るく照らしている】
若竹のごと
すくすく
   のびやかに
        (自作)










































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